あかやまの備忘録

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アイネクライネ唐獅子ムジークの元ネタ唐獅子図屏風を見てきた(美を紡ぐ、日本美術の名品展@トーハク)

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びじゅチューン!で大好きな曲アイネクライネ唐獅子ムジーク!

この曲の元ネタの作品、狩野永徳「唐獅子図屏風」を見てきました。

展示された美術展の感想を含めて書いていきます。

 

アイネクライネ唐獅子ムジークとは?

アイネクライネ唐獅子ムジークは、NHKの子供向け美術番組「びじゅチューン!」で公開された曲です。

元ネタは狩野永徳の唐獅子図屏風。

狩野永徳は安土桃山時代の絵師です。

代表作の洛中洛外図は国宝に指定されています。

唐獅子図屏風は国宝じゃないの?

唐獅子図屏風も狩野永徳の代表作です。

なぜこちらは国宝指定じゃないのか?と思いますよね。

それは唐獅子図屏風の所有者が関係していします。

唐獅子図屏風は宮内庁三の丸尚蔵館です。宮内庁管理の美術品は慣習的に文化財保護法の指定枠外になっています。そのため、唐獅子図屏風は国宝でも重要文化財でもないのです。

宮内庁三の丸尚蔵館の美術品は指定枠外ですが貴重な文化財がたくさんあります。宮内庁三の丸尚蔵館の有識者懇談会において、三の丸尚蔵館には国宝または重要文化財指定の候補となる作品が2484点あると指摘されています。

そんな宮内庁三の丸尚蔵館はなんと無料で観覧することができます。場所はもちろん皇居です。気になる方はチェックしてみてください。

 

特別展「美を紡ぐ日本美術の名品」へ行ってきた

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唐獅子図屏風が展示される美術展があると聞いて行ってきました。

開催概要

特別展「美を紡ぐ 日本美術の名品 ―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―」

  • 場所:東京国立博物館(上野公園内)
  • 期間:2019年5月3日(金) ~2019年6月2日(日)
  • 開館時間:9:30〜17:00 •••※

※東京国立博物館は金曜日と土曜日に限り21:00まで開館しています。夜間は比較的に空いているのでおすすめです!

混雑状況

開催初日の13時過ぎに行きました。

チケット購入は5〜10分待ち程度の列ができていました。ただ、こちらの特別展と東寺展のチケット購入窓口が同じなので、東寺展の影響でチケット購入列ができていたように思います。

関連記事>>【感想・見所】東寺展 − 空海と仏教曼荼羅(と密教彫刻の世界)@上野国立博物館に行ってきました。

 

美を紡ぐ日本美術の名品の会場への入場は並んでいませんでした。ゴールデンウィーク中なので混んではいるものの、見れないレベルではありませんでした。人だかりができていた雪舟作品も2~3分待てば目の前でじっくりと観覧できました。

関連記事>>美術館・博物館の企画展が空いているタイミングを狙う方法

 

感想

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初っ端から唐獅子図屏風

最初に展示されている作品がお目当ての唐獅子図屏風でした。

正確には狩野永徳が描いた唐獅子図屏風"右隻"と狩野永徳のひ孫である狩野常信が描いた唐獅子図屏風"左隻"が並んで展示されています。

想像よりも大きく、そして迫力のある絵に圧倒されました。

絵の重厚感や安定感は永徳なのですが、愛嬌を感じるのはひ孫の常信の絵でした!

宮内庁所有の美術品がすごい

宮内庁三の丸尚蔵館が出している作品が名品揃いで驚きます。

横山大観が昭和天皇に献上した龍の絵や、上野公園の西郷隆盛像を作った彫刻家である高村光雲の猿の置物、葛飾北斎の肉筆画など美術にさほど詳しく無い私でも聞いたことがある名前の作品がたくさん出展されています。

更級日記なんぞも展示してあるのですが解説には「更級日記の原本は消失したため、本書が現存写本の祖本です」などと書かれている。そんな貴重なものが展示してあるとは・・・いやはやビックリしました。

東京国立博物館も負けていない

宮内庁ばかりが凄い作品を出展しているのではない。

東京国立博物館所蔵の雪舟の墨絵「秋冬山水図」。これには引き込まれました。墨の濃淡が美しくてずっと眺めていたいと思える作品でした。ちなみに今回の美術展で一番混雑していたのがこの雪舟の墨絵でした。

黒田清輝の「舞妓」。黒田清輝がフランスに留学したのちに描いた作品で、印象派の作風を感じさせるような雰囲気の絵です。同行者は教科書で見たことがあると言って驚いていました。

階段がキツイ

本展は2フロアに分かれた展示になっています。

普段大きめの企画展を実施する東京国立博物館の平成館は東寺展で使われています。今回の特別展は小さめな展示であることもあり、開催場所が本館になっていました。しかも2フロア。階段の昇り降りがあり少ししんどかったです。

みなさん階段がきつかったのか、階段を昇りきった場所にあるソファでは休まれているかたが異常に多かったです。

おわりに

日本の美術の名品展と言うだけあって、本当に名品揃いの美術展でした。

1ヶ月しか開催しないのがもったいないレベルです。

ぜひ足を運んでみてください。

狩野永徳 (新潮日本美術文庫)

狩野永徳 (新潮日本美術文庫)